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2009年4月

2009年4月 8日 (水)

第5回ロボプロステーション・チャレンジカップ

第5回ロボプロステーション・チャレンジカップに参加してきました。今回、Beautoロボコンという新しい種目が行われました。学習用マイコンボードを使用してのライントレース競技です。VSTONEが大会を開催した元々のきっかけはこの入門者向けロボット工作教室の成果発表のようなものだったそうです。Beautoというのはこの教室で使われるロボットキット製品です。しかし今回はロボット教室以外の参加者が多数を占めました。特に目立ったのはホビー用二足歩行ロボットキットからロボットを始めた人たちです。二足歩行ロボットキットはGUIのものが主ですが、今回大会をきっかけにC言語でのプログラミングを始めた人もいました。最初は初心者対象の大会かと思っていましたが、C言語でプログラミングする人が増え、また事前に練習会が開かれる等、次第に本格的な大会の様相を呈してきました。

ちょうど熱田の森ロボット競技会(ロボトレース競技)が1週間違いであり、良い時期でしたのでマイコンボードVS-WRC003の評価も兼ねて簡単なライントレースロボットを作って参加しました。ロボット名は「風兎2009LT」です。Zentaizou_2VS-WRCを使うとはいえ、熱田の森ロボット競技会用ということでそれなりに速く走れるよう、モータードライバは自作しました。理由は別に書いた通りです。Beautoロボコンで禁止はされていないものの規定の網をかいくぐる形ですので、最後まで参加して良いものかどうか迷いました。最悪、参考記録として披露させてもらう程度でも良いかなと思ったのですが、前日見たVSTONE社長の大和氏も全然OKとのことでしたのでそのまま参加させてもらいました。

結果、2位に10秒近い差をつけて優勝してしまいました。アナログ式ラインセンサーを採用してきめ細かな制御を行ったということも一因ではありますが、モータードライバや車体設計といったハードウェア面がやはり大きな要因であったと思います。さすがにちょっとやりすぎたと思い、副賞は最下位だったチームに譲りました。Prize_cc5

しかしながら今回は学生以外にもロボット教室の小学生からROBO-ONE常連の社会人、あるいは最近二足歩行ロボットキットを使い始めた人まで色々な層の人にロボットの走りを見てもらい、強烈な印象を与えられたので良かったと思います。というのも、ライントレース競技は多くあるのですがなかなかそれだけを見に行くという人は少なく、同じロボットとはいえコミュニティ間で隔たりがあるからです。二足歩行ロボットから始めた人には学生も多くいましたので、特に彼らにとっては今後のレベルアップ、また二足歩行格闘以外に活動の幅を広げるきっかけになったのではないかと思います。

他の参加者のロボットも、デザインに凝ったもの、走り方に工夫があるもの、「ボクシングファイター」という脚歩行ロボットを改造したものなどどれも非常に個性的でした。そういう意味でまさにロボコンらしいロボコンであったと思います。まだ第一回ということで大会自体の方向性も模索中かとは思いますが、今後も楽しみな大会でした。Beauto_robots

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2009年4月 7日 (火)

VS-WRC003マイコンボードを自作回路で使う

VS-WRC003とは、VSTONEが昨年発売した学習用のロボット制御用マイコンボードです。CPUはH8/36064というH8/300H Tinyシリーズのものです。USB-シリアル通信変換ICを基板上に搭載しており、USBケーブルのみでマイコンを使い始めることができる点を特徴としています。また、2CHの正逆回転DCモータードライバICを搭載しており小型の車両型ロボットを単独で動かせるようになっています。基本的には専用のファームウェアとGUIでロボットの動きをプログラミングするものですが、HEWを用いてC言語での開発も可能で、HEW用のプロジェクトファイル付きサンプルプログラムがサポートページで公開されています。回路図も規約に同意の上でダウンロードできます。

単なるH8/Tinyを搭載したマイコンボードとして、敢えて自作回路で使うという観点から感想を書きます。

拡張用コネクタのパターンがありますので、2列ピンヘッダ等を使ってユニバーサル基板に載せることができます。ただ回路図を見るとわかるのですが、秋月のH8マイコンボード等と比べると、外部端子に繋がっているピンが限られています。たとえばアナログ入出力端子は4本しか拡張用コネクタに繋がっておらず、他は専用の4Pinコネクタから出ています。他に、IRQ等いくつかの機能端子が未結線となっていますのでやや不便です。

PCとの接続はUSB-miniBコネクタです。一般的なUSB機器接続用のケーブルで接続します。バスパワーでのROM書き込み、プログラム実行もでき ます。基板上のスイッチを押しながら電源を投入するとROM書き込みモードになるという仕様で、なかなか考えられていると思いました。USB-シリアル通 信変換ICが載っているのでPC側(Windows)からはシリアルポートとして認識されます。そのためSCIと端末エミュレータを用いてのデバッグも従来通りできます。マイコンのリセットスイッチが基板上にはないため電源再投入でリセットすることになりますが、このときUSB-シリアル通信変換ICの電源も一緒に切れるため、PCとの通信ができなくなります(少なくともTeraTermの場合)。これは端末エミュレーターで切断-再接続の操作を行えば回復します。なお、リセット端子自体はE8デバッガ用に繋がっていますので外部リセットスイッチをつけることは比較的容易です。

基板上のDCモータードライバは電流容量が1A程度なため、FA-130クラスのモーターでも使用条件によっては不足します。特に車両型ロボットで急激なブレーキや反転動作をするのには不安があります。専用ファームウェアとGUIを使う場合はDuty比を制限することで対処しているそうですが、自分でファームウェアを書く場合は十分注意する必要がありそうです。6V程度のモーター電源電圧でFA-130を使用した場合にICが発熱したり壊れたりしたという事例を数多く見ました。

基板上には他にプッシュスイッチ(ブートモード切り換え兼用)と圧電ブザー、チップLED2個が載っています。いずれも動作確認やデバッグによく利用する部品で、これらが初めから用意されているのは便利だと思います。

プレイステーション用のコントローラ、あるいは専用のVS-C1という無線コントローラーをつなぐコネクタ用のパターンがあり、ロボットの操縦に使えます。コントローラとの通信を行うサンプルプログラムのソースも配布されています。コントローラの着脱時にコネクタの足に力が掛かかりやすく、何回か抜き差しするうちに折れる恐れがあるので注意が必要です。

以上のようにいくつかの制限はありますが、それらを考慮した上で使えばなかなか便利で面白い製品だと思います。

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