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2014年6月20日 (金)

風兎2014 機構解説 走行系1

今年はハードウェア、特に機械機構に力を入れたのでそこから各部を解説していきたいと思います。

まずは移動装置の方式とその性能についての考察です。

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マイクロマウスによく見られる2輪独立駆動の車輪です。2輪だけでは自立できないので、従動輪の代わとしてシャーシの下面前後に出っ張りを設け、その上に摩擦軽減のための家具用シートを貼ってあります。床の段差に耐えられるよう、前後が同時には接地しない程度の高さになっています。アームを上げた状態では重心がおよそ駆動輪の車軸延長線上(よりやや前方)にありますが、アームと対象物が重いので競技中は大抵前方が接地して後方は浮いています。ただし、加減速の際には後ろ側が接地することもあります。

前後に滑り材を貼る意味については実はなかなか難しいところがあるように思いますが、今までの経験からは、どちらか一方が基本的に車体重量の一部を支え、もう一方は加減速時に車体の傾きおよびそれによる床ラインセンサーの上下動を許容できる範囲に抑えるために補助的に働くというのが実際のところのように思います。

決勝のインタビューで中野先生から加速時にウィリーしてしまうのではないかという質問を頂いたのですが、今になって検討してみると、「確かに車体が後方に傾くことはあり、滑り材に若干の荷重が移ってしまうものの、今回使用した加速度の範囲においては駆動輪のスリップを起こすほどではなく、実用上問題なかった」というのが答えになると思います。

また、カーブ走行時の遠心力ですが、これも同様に問題ない範囲だったということになると思います。走行速度は決勝では概算で600[mm/s]、旋回半径を仮に150mm(コースの線の半径)とすると遠心力は2.4[m/s^2]ぐらいということになります。マイクロマウス等に比べると低い値です。今回使用したmini-zのタイヤは摩擦係数が3近くあることが実験的にわかっていますので、重力加速度の4分の1程度であれば十分余裕があるといえるのではないかと思います。とはいえ風兎はそれらに比べて重心の高いロボットですので、遠心力によって内側の車輪のスリップが起こる可能性はあります。実際の挙動の記録をとって調べてみると面白い結果が得られるかもしれません。

ただ、仮にスリップが起こっても、ライントレース走行時の本ロボットは走行方向はセンサーで検知したラインの方向に従っており、スリップによる方向のズレはライン追従の安定化制御を破綻させない限り問題になりません。ラインに沿った1次元座標系において車輪回転数からの自己位置推定を行っていますが、その座標も交差点ごとに補正しているため許容される誤差が大きくなっています。具体的には、交差点を発見した際には推定値と実際の誤差が150mm以内であれば推定した自己座標から特定の箇所の交差点だと認識して補正を行うようになっています。また、コーナーに入る前も150mm前からコーナー用の速度まで減速するようにしているため同様に150mm以内なら誤差があっても問題ないわけです。

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