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2017年10月 2日 (月)

Humanoid Robot Sports in International Robot Contest 2017 参加報告

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9月14日に韓国KINTEXで行われたソウル科学技術大学校主催のHumanoid Robot Sportsに参加しました。

自律ロボット・High-tech amateur部門の陸上競技に参加、タイムで2位となり、昨年の雪辱を果たした形となりました。また、昨年同様にダンス部門のROBOT JAPANチームを手伝う形で出場、3位となりました。

大会は3日間かけて行われ、自律部門とラジコン部門、そして国際対抗試合がありました。

  • Intelligence Match
    • High-tech amateur league: Hurdle, Soccer, Basketball
    • Kit league: Hurdle, Soccer, Basketball
  • R/C Match
    • Boxing -- パンチのみで戦う格闘競技
    • Curling -- ホッケーパックを蹴ってカーリングの的に入れる対戦型競技
    • Dance -- 2台あるいは1台のロボットによる音楽に合わせてのダンス。最大3分間。
  • 国際対抗試合
    • Fight -- 格闘競技。横攻撃が禁止される前のROBO-ONEに近い。
    • Curling -- R/C Matchのものに同じ
    • Royal Rumble -- 全ロボットをリングに載せてスタート、リングから落ちたロボットからどんどん退場していき残ったら勝ち

自律部門はさらに市販キット(kit league)と自作機(High-tech amateur league)に分かれていて、私の参加したのは後者の方です。昨年はこれが更にHigh-tech amateurとHigh-tech professionalリーグに分かれていたのですが、今回これらが統合された形でした。参加者は主に韓国国内の大学生チームです。私は海外招待選手枠として参加しているチームROBOT JAPANの一員として参加しました。

種目は陸上の障害物走、バスケットボール、サッカーという3つがあったのですが、今回は開発時間の都合上障害物走のみの参加としました。

陸上競技の説明

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トラック

トラックは約17メートル(中央線の長さ)のオーバルコースで中央に白線が引かれています。コース縁は黒線が引かれており、これを越えると失格となります。また、スタートとゴールはそれぞれ青と赤の線が引かれています。注意すべき点として、スタートとゴールは共にメインストレートにあるのですが、スタートラインはゴールラインより1m程後ろにあます。スタート直後にゴールラインを一回通過して、1周してまたゴールラインまでを走り切って初めてゴールとなります。17メートル+1メートルで18メートルを走ることになるわけです。

意図的に前に歩かない場合は失格となります。

障害物

High-tech amateur leagueでのみ障害物が設置されます。障害物に接触すると30秒のペナルティタイムが加算されます。

2014年は障害物なし、2015年はハードルの跨ぎ越え、昨年2016はカラーコーンの回避、と変遷してきました。今年は昨年と同じくコーンの障害物でした。というのも昨年はゴールしたロボットがいなかったように記憶していますのでそのためではないかと思います。

結果

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私のロボットは無事完走し、タイムでこの競技2位となりました。参加5チーム中、ゴールしたのは2チームでした。

ロボットは昨年と同じSpiritですが、腕を規定に合わせて短くし、かつボウリングやハンドボール用に着けていたグリッパをなくしました。これによりモーターが4個減り、軽量化しました。もともと脚部の剛性が不足していて歩行が不安定になる傾向があったのですが、これが軽減されたように思います。

解説

この課題の難しさは、単純な記憶のない反射行動ではこの「コーンを避けつつもコースを走る」という動きが生成できないことにあります。

トラックを走るのに最も単純な方法は、単に白線がロボット正面に見え続けるように左右に旋回しながら歩くというものでしょう。これは車両型ライントレーサーロボットと同じく、ごく単純なルールで行うことができます。この場合、カメラと物理的な物体の座標の対応付けすらなくても一応成立します。ロボコンとしては一応これもありではないかと思いますが。

ところが今年の競技ではコーンを避けようとして向きを変えると、白線が視界から消えてしまうことがあります。ロボットのカメラを正面向きに固定している場合は尚更です。すると、単純なルールでは進行方法が決められません。 見失う前にコースがあった方へ旋回するような仕組みを作ったとしても、スムーズかつ確実にコースに戻れるように工夫する必要があります。

正攻法としては、ロボットの知能をより高度にすることが考えられます。コースと障害物の地図を作りながら、ロボットが一歩ずつ歩くたびに歩いたであろう距離と方向から自分の現在位置を計算し、そのうえでこの先の経路を自分で考えて作るというものです。障害物はルール上ランダムな場所に複数置けるので、迷路のような形を作られることまで想定するとこれが必要になってきます。

ただ今のところはコーンはコースの何か所かに1個ずつ置かれるだけでしたので、ここまで必要になったことはありません。

今回私が採った方法は、コースの線を検出したうえで、もしそれが、コーンから一定の距離以内であればその分だけ平行移動してずらした線を目標としてそれに追従するというものでした。更に直線コースにおいてはロボットの向きは線の方向に固定、足をわずかに斜めに踏み出すことで微妙に横に移動することでコーンを回避する、というものでした。直線であればカメラの視野により70cm程度の距離からコーンが見えはじめますので、この少しずつ軌道修正をするという作戦はうまくかみ合ったように思います。

コーナーおよびその付近では今まで通り、ラインからの距離とコースの向きを両方フィードバック制御器に入れて旋回するという方法をとりました。そのためもあってコーナーにコーンがある場合など、苦手なパターンもありました。大会ではそのような難しい配置ではなかったため、結果的にうまくいきました。

一見まっすぐ歩いているのになぜかコーンの脇をぎりぎり掠めるようにラインを取り、かつコーナーもスムーズにややイン寄りを曲がっていくということで審判員や実行委員の人からどうなっているの、と聞かれました。また、見に来ていた香港チームのメンバーからも非常にスムーズだったというコメントを貰いました。単純な知能でも環境との相互作用で意味ある動きが現れるということで、面白いのではないかと思います。

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